昨年以上の熱気に包まれたコンテスト
千代田区で未来を切りひらく企業の皆さまが集まる「千代田CULTURE x TECH ビジネスコンテスト2025」を、2月14 日にStartup Hub Tokyo 丸の内で開催しました。当コンテストは、区内のスタートアップが自身のビジネスプランをもとに外部審査委員による評価を受けることが出来るだけでなく、資金調達やネットワーク拡大のきっかけを提供することで、スタートアップのさらなる成長を加速させることを目的にしています。
今年は、書類審査を通過したファイナリスト8社が登壇。たくさんの観覧者にもお越しいただき、会場は昨年以上の熱気に包まれました。審査委員には、Gazelle Capital株式会社の大谷直之氏(インベストメントチーム キャピタリスト)、東京女子大学の小西由樹子氏(現代教養学部 国際社会学科 准教授)、日本エンジェル投資家協会の山本敏行氏(代表理事/Power Angels CEO/ Chatwork創業者)の3名を招いて審査を実施しました。
当コンテストの審査は「新規性」、「市場性」、「課題性」の3項目を基本に行います。従来にない要素があり、新規性に富んでいるか。十分な市場規模を有し、他社と比較した際に優位性があるか。課題と解決手法が適切に設定されているか。これらの観点を満たしたビジネスプランについてファイナリストたちがプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーション後には質疑応答があり、審査員からの事業展開や課題認識に関する鋭い質問に対して真摯に応答するなど、熱いやり取りが繰り広げられました。

そして厳正な審査によって、今年度の千代田CULTURE×TECH AWARDには「フィールドクロス株式会社」(代表取締役社長 鬼頭和秀氏)と、「株式会社CoNCa(コンカ)」(代表取締役 伊藤博之氏)の2社が選ばれました。
オンラインで産後女性の体をリカバリーする
株式会社CoNCaは産後女性の体をリカバリーするオンラインサービス事業「SOCO」(ソコ)を紹介。産後女性の多くが妊娠・出産に伴う身体不調やダメージを抱える中で、対処できる医療施設がなく、自分に適したケアがわからないという声が挙がっていたそうです。また、伊藤氏は起業に至った思いを次のように語りました。

「最初のきっかけは、私の友人がうつになって苦しんだ経験でした。うつの予防方法等をリサーチする中で、産後うつについて知りました。産後の官民によるサポート体制を調べたときに、心のケアをサポートする事業はありましたが、体のリカバリーを実施している事業は非常に少なかった。身体ダメージもメンタルに影響することを知り、この課題を突破していこうと思いました」
SOCOでは、まずビデオ通話などを通じて理学療法士とAIによる身体分析が行われ、その結果を踏まえて改善計画を策定。体の部位別リカバリープログラムが提供されます。これによって、オンラインでありながら質の高い産後リハビリを自宅で受けることが可能に。産後リカバリーの知見を持つメンバーと検証を繰り返して事業化にこぎつけたそうです。
世の中は少子化の時代を迎えていますが、高齢出産者割合の上昇などによって、女性の産後ダメージが深くなると想定しており、SOCOのニーズも高まると分析。事業展望としてはBtoCだけでなくBtoBにも取り組むことで、復職課題や女性活躍推進にも取り組んでいきたいとしています。